野 草 の 花

maizurusou(舞鶴草)ユリ科
  (舞鶴草・学名Maianthemum dilatatum)はスズラン亜科マイヅルソウ属に属する多年草。ユーラシア北東部(ロシア東部、日本、朝鮮半島)と北アメリカ北西部(アメリカ合衆国カリフォルニア州北部、オレゴン州、アラスカ州、アリューシャン列島など)に分布し、日本では、北海道から九州の山地帯上部から亜高山帯の針葉樹林に多く群生する[1]。 北アメリカでは、沿岸部の温帯雨林に多く、よくシトカトウヒ林の樹床に群
生する。
  落葉層(リター層)の発達した環境で、根茎を横に伸ばしよく繁殖する。茎は高さ10-20cmほど立ち上がり、途中に2枚のハート形の葉をつける。花期は5-7月。先端から茎を伸ばし、白色の小六弁花を総状花序につける。

nobinetidori(延根千鳥)ラン科
  茎は太く円柱形で直立し、高さ30-60cmになる。葉は5-10個が茎に互生し、葉身は楕円形〜狭長楕円形で、長さ7-15cm、幅2-6cm。先端は尖り、縁は波状に縮れ、3-5筋の葉脈が目立つ。葉の基部は鞘状になって茎を抱く。
花期は5-7月で、淡紅紫色の花を穂状に多数つける。苞は花と同じ長さ。萼片は長さ5mm、側花弁は萼片より短く、唇弁はやや長く、くさび状広卵形で先端が3裂する。
和名の由来は、同属のテガタチドリの肥厚した根茎の形が掌状で「手形」であるのに対し、本種の根は掌状にならず、伸びるため「延根」という。
  樺太、カムチャツカ半島、朝鮮半島、日本に分布する。山地の樹林下の湿った場所に自生する。
日本では北海道、本州中部以北、四国、九州に分布する。
saihairan(サイハイラン)ラン科
  偽球茎は卵形。偽球茎の頂部につく越冬性の葉は狭長楕円形で革質、長さ15-35cm、幅3-5cmで先端は尖る。ふつう1葉がつく。葉の基部は鞘状になって茎を抱く。
花茎は直立し、高さは30-50cmになる。花期は5-6月で、淡紫褐色の花を総状花序に10-20花を下向きにつける。萼片と側花弁は線状披針形で長さ3-3.5cm、幅4-5mm、唇弁は長さ3cmで紅紫色になる。
  日本では南千島、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林床に自生する。アジアでは樺太南部、朝鮮南部、中国(本土および台湾)、ヒマラヤに分布する。
和名の由来は、花序の様子を戦場で指揮官が兵を指揮する采配に見立てたもの。
shiraneaoi(白根葵)シラネアオイ科
  シラネアオイ(白根葵、学名:Glaucidium palmatum)は、キンポウゲ科(シラネアオイ科として分けることも多い)シラネアオイ属の多年草の一種。深山の植物。日本固有種の1属1種である。
  北海道から本州中北部の日本海側にかけての山地帯と亜高山帯のやや湿り気のあるところに分布している[2]。高さは20-30 cm。花期は5-7月頃。花弁はなく、7 cmほどの淡い紫色の大きな萼片が4枚あり、大変美しい姿をしている。
和名は、日光白根山に多く、花がタチアオイに似ることからシラネアオイ(白根葵)と名づけられた。別名で「山芙蓉(やまふよう)」、「春芙蓉(はるふよう)」ともいう。



ミズバショウ(水芭蕉) サトイモ科
  湿地に自生し発芽直後の葉間中央から純白の仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞を開く。これが花に見えるが仏炎苞は葉の変形したものである。仏炎苞の中央にある円柱状の部分が小さな花が多数集まった花序(かじょ)である。開花時期は低地では4月から5月、高地では融雪後の5月から7月にかけて。葉は花の後に出る。根出状に出て立ち上がり、長さ80 cm、幅30 cmに達する。
和名の「バショウ」は、芭蕉布の材料に利用されているイトバショウの葉に似ていることに由来する。
  シベリア東部、サハリン、千島列島、カムチャッカ半島と日本の北海道と中部地方以北の本州の日本海側に分布する。
南限の兵庫県養父市の加保坂峠にも隔離分布している。山地帯から亜高山帯の湿原や林下の湿地に分布する。学名の種小名は「カムチャツカ半島」に由来する。基準標本は、カムチャッカ半島のもの。
エンレイソウ(延齢草)ユリ科
  太く短い根茎から、高さ20-50cmの茎が一本伸び、その先端に3枚の葉を輪生する。葉は葉柄を持たず、茎から直接生ずる。葉の形状は丸みを帯びたひし形で、直径は10-20cm。花期は4-6月。3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、小さな花をつける。花は花弁を持たず3枚の緑色または濃紫色のがく片を持ち、横向きに咲く。
  日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、低地や山林のやや湿った場所に生える。東アジアでは、サハリン(樺太)、南千島に分布する。
  黒く熟した果実は食用となる。
根茎は中国では延齢草根と呼ばれ、古くから胃腸薬や催吐剤などの薬草とされるが、サポニンなどの有毒成分を含む有毒植物であり、過量に服用すれば、嘔吐、下痢などの中毒症状を起こす。
リュウキンカ(立金花)キンポウゲ科 
  根出葉は長い葉柄をもって束生し、葉身は心円形から腎円形で、長さ、幅とも3-10cmになり、縁には低い鈍鋸歯を持つ。茎は直立し、花茎の高さは15-50cmになる。茎は中空で、茎葉は茎の上部につき、根出葉に似るが小型になる。
花期は5-7月。茎の先端および葉腋から長い花柄を伸ばし、径2.5-3cmの黄色い花をつける。花弁はなく、花弁に見えるのは萼片で、ふつう5枚、ときに6-7枚ある。雄蕊は多数あり、雌蕊は4-12個ある。果実は袋果となり、長さ1cmになる。根は白色でヒゲ状になる。茎が直立し、黄金色の花をつけることから立金花と呼称されるようになった。花言葉は「必ず来る幸福」。属の学名となっているCalthaはラテン語で「強い匂いのある黄色い花」という意味を持つ。

フタリシズカ(二人静)センリョウ科の多年草。
  沖縄を除く日本全国の山林の比較的暗い場所に分布する。高さは30〜60cm。花期は4〜6月。茎の先に数本(2本の場合が多い)の穂状花序を出し、小さな白い花をつける。花には花弁も萼もなく、3個の雄しべが丸く子房を抱いている。花序は立っているが、果実ができると下に曲がる。夏頃(果実の成熟期)に閉鎖花をつける。
  和名は、2本の花序を、能楽「二人静」の静御前とその亡霊の舞姿にたとえたもの。ヒトリシズカと対を成す。ただし、花序は二とは限らず、3-4つく例もある。
ヒトリシズカ(一人静)センリョウ科
  高さは10〜30cm。葉は4枚が輪生状に付き光沢があり、縁に
は鋸歯がある。花期は4〜5月で、茎の先に1本の穂状花序を出
し、ブラシ状の小さな白い花をつける。一本で生えるのは稀で、
普通群生する。名称の由来はこの花の可憐さを愛でて静御前
になぞらえたもの。近縁種のフタリシズカが花穂を2本以上出す
のと対比させた。
    北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内、林縁に自
生する。
ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)は、ユリ科の多年草。
  太く短い根茎から、高さ20-40cmの茎が1本伸び、その先端に3枚の葉を輪生する。葉は葉柄を持たず、茎から直接生ずる。葉の形状は丸みを帯びたひし形で、直径は10-20cm程度。3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、3枚の外花被片と3枚の白い花弁状の内花被片、6本の雄蕊をもつ花を生じる。内花被片は外 花被片より長く、外花被片の先端がとがる。



キバナノアマナ(黄花の甘菜 )ユリ科キバナノアマナ属の多年草
  地下にある鱗茎は卵形で長さ10-15mmになり、帯黄色の薄皮に包まれる。根出葉は1個で、形は線形で長さ15-30cmになり、やや厚みがある。花茎は、高さ15-25cmになり、2個の苞葉がつく。
  花期は4-5月で、花茎の先に4-10個の黄色の花を散形状につける。細い花柄の長さは不規則で、1-5cm。花被片は6枚、線状長楕円形で長さ12-15mm。雄蕊は6個あり、花被片より短い。果実は刮ハで、3稜がある球形状になり、長さは7mm内外になる。
ザゼンソウ サトイモ科ザゼンソウ属の多年草。
  仏像の光背に似た形の花弁の重なりが僧侶が座禅を組む姿に見えることが、名称の由来とされる。また、花を達磨大師の座禅する姿に見立てて、ダルマソウ(達磨草)とも呼ぶ。
  冷帯、および温帯山岳地の湿地に生育し、開花時期は1月下旬から3月中旬。開花する際に肉穂花序(にくすいかじょ)で発熱が起こり約25℃まで上昇する。そのため周囲の氷雪を溶かし、いち早く顔を出すことで、この時期には数の少ない昆虫を独占し、受粉の確率を上げている。開花後に大型の葉を成長させる。















オオウバユリ(大姥百合)ユリ科ウバユリ属の多年草。
  本州の中部以北、北海道に分布し、やや湿り気のある林内、林縁に自生する。
  高さは1.5〜2.0mくらいになり、花期は7〜8月で、10〜20個の黄緑色の花をつける。翌春まで立ち枯れした、実をつけた茎をみることがある。
花をつけた株は一生を終えるが、元株の脇に子株が育っている。
関東地方以西から四国、九州に分布するウバユリより大型で、花の数も多い。

エンゴサク ケシ科(←ケマンソウ科)
  延胡索(えんごさく)とは生薬の一種。この生薬はケマンソウ科の植物で学名Corydalis turtschaninoviiまたはその他同属植物の塊茎のことである。 産地は中国。
日本薬局方に収録されており、鎮痙、鎮痛作用などがあり、安中散、牛膝散などの漢方方剤に配合される。身近なところでは、大正中薬胃腸薬、太田漢方胃腸薬などにも配合されている

オドリコソウ(踊子草)シソ科オドリコソウ属の多年草
  高さは30〜50cmくらいになる。葉は対生し、その形は卵状3角形から広卵形で上部の葉は卵形で先がとがり、縁は粗い鋸歯状になり、基部は浅心形で葉柄がある[2]。
花期は4〜6月で、唇形の白色またはピンク色の花を、数個輪生状態になって茎の上部の葉腋に数段につける。花のつき方が、笠をかぶった踊り子達が並んだ姿に似る。
花の基部に蜜があり、観察実験の材料ともなる。
     
フクジュソウ(福寿草)キンポウゲ科の多年草。
  日本では北海道から九州にかけて分布し山林に生育する。シノニム(同一種を指す同意語)の種小名である amurensis は「アムール川流域の」という意味。花期は初春であり、3-4cmの黄色い花を咲かせる。当初は茎が伸びず、包に包まれた短い茎の上に花だけがつくが、次第に茎や葉が伸び、いくつかの花を咲かせる。この花は花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引している。その為、太陽光に応じて開閉(日光が当たると開き、日が陰ると閉じる)する。葉は細かく分かれる。夏になると地上部が枯れる。つまり初春に花を咲かせ、夏までに光合成をおこない、それから春までを地下で過ごす、典型的なスプリング・エフェメラルである。
根はゴボウのようなまっすぐで太いものを多数持っている。
ギョウジャニンニク(行者葫)ネギ属の多年草。
  長さ20 - 30cm[6]、幅3 - 10cmの葉で強いニンニク臭を放ち、地下にラッキョウに似た鱗茎を持つ、葉は根生、扁平で下部は狭いさやとなる。初夏、花茎の頂端に、白色または淡紫色の小花を多数つける。種子のほかにも不定芽でも増殖する。生育速度が遅く播種から収穫までの生育期間が5年から7年と非常に長いことから、希少な山菜とされ、市場に出回っているものは少量にもかかわらず高値で取引される傾向にある。






                                                               



野草の花2
野草の花2
2015年野草の花
2015年野草の花